筋トレのウソ?ホント? · 研究で確かめる
子どもが筋トレをすると、
背が伸びなくなる?
「子どものうちに重いものを持つと、背が伸びなくなる」とよく言われます。子どもの骨の端には、骨が長くなるときに働く「成長軟骨(骨端線)」という部分があり、ここを傷めるのでは、という心配です。研究ではどうなっているのか、見てみましょう。
結論
ウソ
指導者がついて、年齢に合った内容で行った研究では、筋トレで背の伸びが悪くなったという結果は出ていません。ただし、研究の多くは8〜12週間ほどの短いものです。また、子どもの筋トレのけがの多くは、重りを落とすなどの事故や、指導が足りずにフォームが崩れたことと関わっていたという報告があります。
研究の確かさ:中(指導者のもとで行った、短い期間の試験が中心)背の伸びを調べた研究
指導者のもとで行った筋トレは、背の伸びや体重の増え方に影響しなかった
思春期の前から思春期のはじめの子どもを対象にした、筋トレの試験22件をまとめた研究です。多くは週2〜3回、8〜12週間の内容で、筋力ははっきり伸びました。背の伸びと体重の増え方には、影響が見られませんでした。けがを記録していた10件の試験で、報告されたけがは3件でした。研究者は、指導者がつき、指導者1人あたりの子どもの数が少ない条件であることを前提にまとめています。
PubMed で見るなお、同じ研究では、トレーニングをやめると、伸びた筋力は失われていったことも報告されています。
子どもでも、筋力は伸びる
子どもも10代も、筋トレで筋力が伸びていた
18歳未満の健康な子どもを対象にした、筋トレの比較試験をまとめた研究です。筋力ははっきり伸びていました。年齢が上がり、体が成長しているほど伸びやすい傾向がありました。また、期間が長いほど、セット数が多いほど、伸びが大きくなっていました。
PubMed で見るけがは、どこから起きている?
8〜13歳のけがの多くは、重りを落とす・はさむといった事故だった
アメリカの救急外来に来た「ウエイトトレーニング中のけが」4,111人分を、年齢別に調べた研究です。8〜13歳では、けがの3分の2が手や足で、重りを落とした・はさんだという事故が多く、骨折の割合はほかの年代より高めでした。一方、関節のねんざや筋肉を痛めるけがは、子どものほうが大人より少ない結果でした。研究者は、子どものけがの多くは事故によるもので、見守りを増やし、安全のルールを守ることで減らせる可能性があるとしています。
PubMed で見るけがの背景には、指導が足りないことによるフォームの崩れや、合わない重さがあった
子どもの筋トレのけがについて、これまでの報告をまとめた研究です。けがの多くは事故によるもので、資格のある指導者がいないために、フォームが崩れたり、合わない重さを使ったりしたことが一因と考えられていました。資格のある指導者がすべての練習を見守り、年齢に合ったやり方を教えることが、筋トレを行う条件として挙げられています。
PubMed で見る子どもの筋トレの研究の多くは、けがなどの記録をきちんと書いていなかった
16歳未満を対象にした筋トレの試験130件を調べた研究です。けがなどの「よくない出来事」があったかどうかを書いていたのは、44件(約34%)だけでした。書いていた44件のうち18件では、1件以上の出来事が報告されていました。けがについて判断する材料は、まだ十分とは言えないということです。
PubMed で見る子どもが筋トレをするときは
研究で確かめられているのは、あくまで「指導者がついて、年齢に合った内容で行う」場合です。次のような点を大切にしてください。
- 大人の見守りのもとで:子どもの運動は、指導者や保護者の見守りのもとで行いましょう。ひとりで重い器具を使うのは避けてください。
- 重さより、まずフォーム:けがの背景には、フォームの崩れや合わない重さがあったと報告されています。軽い重さや自分の体重から始めて、正しい動きを覚えることを優先します。
- 年齢と体に合った内容で:大人のメニューをそのまま使わず、その子の年齢や体の成長に合わせて内容を決めます。
痛みが続くときや、成長について気になることがあるときは、医師に相談してください。
エビトレなら、種目ごとに、どんな研究があるかをエビデンスレベルつきで確かめられます。研究の対象になった人(初心者・経験者など)や、研究でのやり方もあわせて見られます。
エビトレを見るこの記事は研究の内容をまとめたもので、医療ではありません。持病のある方や痛みのある方は、医師や専門家に相談してください。(2026年10月 時点の研究にもとづきます)