筋トレのウソ?ホント? · 研究で確かめる
筋肉痛がないと、
筋肉はついていない?
トレーニングの次の日や2日後に出てくる筋肉痛。運動してしばらくたってから出るので、「遅れて出る筋肉痛」とも呼ばれます。「筋肉痛がない日は、筋肉がついていないのでは」と心配する人もいます。本当でしょうか。
結論
ウソ
筋肉痛がほとんど出ないように鍛えても、筋肉は同じように大きくなったという研究報告があります。また、筋肉痛の強さは、筋肉の細かい傷の大きさともあまり一致しないという結果でした。ただし、調べた試験の数はまだ多くありません。
研究の確かさ:中(小さな試験がいくつかあり、結果はそろっている)筋肉痛がなくても、筋肉は育った
筋肉痛が出ないように慣らしたグループも、同じように筋肉が大きくなった
筋肉を伸ばしながら力を出す、特別な自転車こぎのトレーニングを、2つのグループで8週間行いました。片方は3週間かけて少しずつ慣らし、筋肉痛や筋肉の傷のサインが出ないようにしました。もう片方は最初からきつく始め、筋肉痛などのサインが出ました。トレーニングの量はそろえています。結果は、筋肉の太さの増え方が同じで、筋力の伸びも25%と26%でほぼ同じでした。
PubMed で見る筋肉の傷が大きかった時期の反応は、筋肉の成長と結びついていなかった
若い男性10人が10週間の筋トレをして、始めた週・3週目・10週目に、筋肉をほんの少しとって調べました。筋肉の細かい傷は最初の週がいちばん大きく、続けるうちに小さくなっていきました。筋肉の材料(たんぱく質)がつくられる量が、筋肉の太さの増え方と結びついていたのは、傷が小さくなった3週目と10週目でした。最初の週の反応は、筋肉を大きくすることには向いていなかったという結果です。
PubMed で見る筋肉の傷は、筋肉を大きくするしくみの中心ではない、とまとめられた
これまでの研究をまとめた論文です。筋トレを始めて数回のうちに筋肉が太くなったように見えるのは、主に傷によるむくみと考えられています。本当の意味で筋肉が大きくなるのは、およそ18回目以降とされています。また、筋肉の傷をあまり起こさないやり方でも、傷を起こすやり方と同じくらい、筋肉と筋力が伸びたという研究があると述べています。
PubMed で見る筋肉痛の強さは、何を表している?
筋肉痛の強さは、筋肉の傷の大きさとあまり一致しなかった
男子学生110人が、ひじを曲げる筋肉で、筋肉を伸ばしながら力を出す動きを12回・24回・60回のどれかで行いました。24回と60回のグループは、力の落ち方などの傷のサインが12回のグループより大きかったのに、押したときや曲げたときの筋肉痛の強さには差がありませんでした。筋肉痛は、筋肉の傷の大きさを表す目印としては弱い、という結論でした。
PubMed で見る一度きつい運動をすると、次からは筋肉の傷が起きにくくなる
「くり返し効果」と呼ばれる現象について、それまでの研究をまとめた論文です。筋肉を伸ばしながら力を出す運動を一度すると、次に同じような運動をしたときに、筋肉の傷が起きにくくなります。なぜそうなるのかは、まだはっきりしていません。
PubMed で見る続けているうちに筋肉痛が出にくくなっても、それは「筋肉がつかなくなった」というより、体が慣れてきたためかもしれません。
じゃあ、何を目安にすればいい?
筋肉痛の有無だけで、その日のトレーニングのよしあしを決める必要はなさそうです。次のような点を目安にしてみてください。
- 記録の伸び:扱う重さや回数が、少しずつでも伸びているかを見ます。
- 続けること:研究では、筋肉がはっきり大きくなるまでに数週間以上かかっていました。筋肉痛がなくても、続けることが大切です。
- 無理をしない:強い痛みが何日も続くときや、いつもと違う痛みがあるときは、トレーニングを休み、医師に相談してください。
エビトレなら、毎回の重さと回数を記録して、前回と比べられます。筋肉痛にたよらず、記録の伸びで自分の成長を確かめられます。種目ごとの研究も、エビデンスレベルつきで紹介しています。
エビトレを見るこの記事は研究の内容をまとめたもので、医療ではありません。持病のある方や痛みのある方は、医師や専門家に相談してください。(2026年10月 時点の研究にもとづきます)